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鍼灸師と柔整師のための鍼灸と整体の実践セミナー Seminar for Acupuncturist and Judo therapist

セミナーレポート【整動鍼 基礎☆取穴復習編】2020年9月27日~28日

9/27-28の日程で、整動鍼セミナー「基礎☆取穴復習編」が開催されました。

取穴復習編とは

整動鍼セミナーは、以下のようなステップで行われます。

①講師による解説+デモンストレーション

ある症状について、それがどのようなツボと関連が深いかを説明し、実際に受講者の中で同様の症状を持つ人を募り、講師がその場で刺鍼し、変化を見てもらいます。

②受講者が実際に取穴

確かに変化が起こることを見てもらった後は、受講者同士で身体を貸し合い、ツボを取ります。ツボを取ったら、油性ペンで印をつけます。

③講師が取穴の正確性をチェック

講師が巡回し、受講者の取穴したところが正しいかどうかをチェックします。赤ペン先生みたいな感じです。

 

この繰り返しによってセミナーが進んでいきます。

取穴復習編で取穴の精度を上げる

普段のセミナー(入門・基礎・応用)では、どうしても概念の説明、ツボの取り方の解説に重点を置かなければなりません。受講者にとっては新しい考え方ですので、頭で理解し、身体で覚えてもらうのにエネルギーを使うからです。

それでも、他のセミナーや勉強会で、これだけ取穴に時間を取っているところを知りません。

ツボを取る技術を底上げするためのトレーニングは、会員の有志で開催する「公認勉強会」・「自主勉強会」を活用して補う、という形をとっています。

そして、「もっと精確にツボが取れるようになりたい」という、学習意欲旺盛な方のために年一回開催しているのが、この「取穴復習編」です。今回は3年目の開催となります。

「基礎」と銘打たれているとおり、整動鍼セミナーの基礎3編(脊柱編・四肢編・腹背編)に登場するツボの取り方を、改めて丁寧に練習しました。

 

ツボの「顔」を知る

セミナーの冒頭で、代表の栗原がこんな喩え話をしました。

ツボには「顔」とでもいうべき「感触の違い」があります。わたしたち一人ひとりの顔はそれぞれ似通っています。目が2つあって、鼻があって、耳があるという点ではみんな同じですが、わたしたちは個々人の顔を見分けることができます。

Aさんを訪ねていくとき、Aさんの顔を知っていれば、すぐに会うことができます。もし、Aさんの顔を知らなくて住所しか手がかりがないような場合だと、実際にその場所を訪れて、インターホンを鳴らしても、出てきた人がAさんであるという確信が持てないままです。

「顔」に相当するのがツボの「感触」、「住所」に相当するのがツボの「位置」です。

どちらかというと、ツボの「位置」の方が共有しやすいことはおわかりだと思います。

一般的な鍼の教科書に書いてあるのは、「◯◯から何寸」といったツボの位置です。これはいわばデジタル情報ですので、相手に伝達しやすい。その証拠に、書店やネットに「◯◯に効くツボ」という情報があふれていて、「親指と人差し指のくぼみの部分」なんて説明が書かれています。もちろん、そういった情報も重要ですので、整動鍼セミナーでもツボの位置についてはイラストつきで詳細に解説したテキストを配布しています。

いっぽうで、「ツボの感触」は、言葉だけで伝えることは困難です。

栗原による顔の喩えのとおり、実際に対面したり、写真を見たりしなければ、その人の本当の顔を認識することはできません。写真で見ていてすら、実際に本人を前にすると必ずしも写真からイメージしたとおりではないということは皆さんも経験されているとおりです。

「キャビアの味」を知らない人に言葉だけで伝えることが困難なのと似ています。「塩味が強くて、プチプチしている」という風に、聞き手の知識に訴えかけて伝えることはできます。しかし、どこまでいっても、キャビアの味「そのもの」を伝えることはできません。実際に、自分の感覚で味わうことなしに、キャビアの味を知ることはできません。

ツボもそれと同じで、実際に自分で「味わう」ことなしに自家薬籠中の物にすることができません。文字通り「体得」しなければなりません。セミナーの初回受講は必ず会場にいらしていただいている理由です(復習受講ではオンラインで受けられます)。

話を戻しますと、取穴復習編の意義とは、「言葉や画像では伝達が困難な『ツボの感触』という情報を正確に習得する」という点にあるといえます。

日本のあちこちから、ツボを取るためだけに集まってきた人たち。このようなストイックさ、求道的な姿勢によって、全国で整動鍼を実践する方々の技術の正確性が保証されています。

それでもあえて、言葉にすると

それでも、伝達する以上は言葉での説明も必要です。実際のセミナーでツボの感触についてどのような説明がなされているのでしょうか。

曰く、

「骨にへばりついたガムのような感触」

曰く、

「タイ米のような形状の緊張」

曰く、

「筋肉と筋肉をつなぐ橋のような形状の緊張」

などなど、ボキャブラリーの限りを尽くして説明がなされます。伝えられたイメージを手がかりに、指先を高精度のセンサーに変えてツボを探り、フィードバックを受ける。この繰り返しで2日間が過ぎていきました。

ツボが正確に取れると生産性が上がる

セミナー終了後、Facebook上のコミュニティで、受講された方がこんな投稿をしていました。

ツボが正確に取れると、短い時間、少ない鍼で治療効果が引き出せるため、コストの低減が実現します。何よりも、患者さんへの時間的、肉体的負担が小さくなります。

次は応用編の取穴復習編…?

取穴復習編は毎年1回、秋頃に開催しています。これまではずっと基礎編のツボを復習してきましたが、整動鍼セミナーをすべて修了した方も増えてきたことですし、来年は応用編で取穴復習編を開催しようかと打診しているところです。年に一度の機会をぜひ有意義に活かしていただければ嬉しいです。(2日目は治療院に出勤で欠席した 事務局 岡本)

2020年10月2日カテゴリー:セミナーレポート