活法の特徴
500を越える手法
テクニックの多さは他に類をみません。豊富なバリエーションによって各症状にくまなく対応できます。
活法と整体の関係
整体とは
整体の定義
整体には確かな定義がありません。なので、整体と活法の違いを論じることは簡単ではありません。それどころか、「同じである」という結論も成りたちます。活法とその歴史でも言及したように、整体のルーツをたどると活法に行き着くためです。
しかし、これでは活法の特徴を言い表すことはできません。そこで、あん摩マッサージ指圧(国家資格免許)以外の民間徒手療法を整体と仮定して、活法との違いを考えてみましょう。
いわゆる整体
「無免許マッサージ」と解釈されることも多いです。「マッサージ」という名称を無資格者が使えないため、「整体」で代用している、という現状もあります。この場合、整体はマッサージとほぼ同義になります。
骨格矯正が整体と言われることもあります。この場合、カイロプラクティックとほぼ同義になります。「整体」という言葉が、真っ直ぐな体を連想させるためだと思われます。「整体師=骨格を矯正する人」と認識されていることもあります。
最近増えてきたのが脱力系の技術です。筋肉を押したり揉んだりするのではなく、術者が対象者の体を揺らしながら筋肉と関節をほぐしていくものです。強い力を使わないため「ソフト整体」と言われることもあります。
活法はどれにも属しません。マッサージでもなく、骨格矯正でもなく、ほぐしでもないのです。
活法とは
正体(せいたい)
活法では左右対称を目的としません。常に左右対象が人間にとって自然とは限らないからです。確かに骨格的な左右のアンバランスは動作に影響を与えることがあります。しかし程度の問題であり、ある一定範囲であれば影響はでません。
そもそも人は左右対象で生まれてくるのでしょうか…。活法では左右の対称性よりも、思い通りに動く体であるかどうかを考えます。 自由に動く体を正体といい、活法が目指す健康の定義です。
経絡経穴がない
整体と言われているテクニックの多くは、鍼灸学における経絡(けいらく)や経穴(けいけつ)を導入したものが多いです。鍼灸師が鍼や灸をするポイントに、手指を使って刺激をします。
活法では鍼や灸の代替として手指を使うことはありません。日本の古武術をルーツとするため、鍼灸学とは発想が大きく異なります。
筋肉の連動性
古武術の裏技として存在していた活法。そのため「動き」に重点が置かれています。「動けない=戦えない」なので、いかに動作を回復させるか徹底的に研究されてきました。
たとえば、疼痛がある筋肉に発生したとき、その筋肉に原因があるとは限りません。周辺筋肉との連動が失われ、過度な負荷が疼痛部位にかかっていることが多いです。活法では連動の回復に意識が置かれています。
即効性
即効性は活法の代名詞と言えます。戦場において、傷ついた体は一瞬でも早く動かせる状態に戻す必要があります。たとえすぐに戦えなくても、逃げる体は必要です。すぐに治らなくても、動ける体が必要です。
活法には「治す」という概念がありません。動けるようになることで、結果的に「治ってしまうもの」と考えます。痛いから動けないのではなく、動けないから痛いのです。
慰安効果
慰安は言い換えれば「その場のラク感」です。施術中の時間がその評価の中心になります。気持ちよいマッサージなどがこれに当たるでしょう。多くの「整体」も時間単位の料金であるため、慰安と言えます。
活法は「その後のラク感」を重視します。活法の起源を考えれば当然と言えます。戦場に戻って戦えるかどうかが重要なので、施術後の(患者の)時間を対象としなければなりません。
患者との関係
現代の医療現場において、患者の積極性が問われる場面は多くなっています。患者の治療に対する姿勢で回復が変わることは周知の通りです。活法では、この経験値が技化されています。患者の積極性を利用していくのです。
活法のテクニックには、患者参加型のものが多数あります。患者の「治りたい」に術者が手を貸すので、これが本来の姿であると言えます。
患者は術者の誘導に耳を傾け、呼吸、動作、意識を正常化させながら自然体に還っていきます。