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鍼灸師と柔整師のための鍼灸と整体の実践セミナー Seminar for Acupuncturist and Judo therapist

活法とは What is KAPPO?

活法とは

活法(かっぽう)とは

広義においては、殺法に対して存在する法すべてを指す。狭義においては、柔術(古武術)の裏技として継承されてきた医術のことを指す。さらに狭義となると蘇生術を指す。整動協会が対象としている活法は主に医術である。

 

 

広義の活法

活かす法と解釈するならば、どんな物事においても活かす術となれば活法となる。

狭義の活法

(1)医術(柔術の裏技)

整骨法、整体法、救急法、呼吸法、柔軟法、薬法など

※「整体法」が活法研究会の主な対象である。

(2)蘇生術(柔術の裏技)

意識消失や気絶した者を蘇生させるための術

 

柔道の影で

明治15年、嘉納治五郎によって柔道が創始された。この背景で数多くの柔術が姿を消した。それら柔術の裏技として受け継がれていた活法も一部を除いて姿を消した。

現在、活法という言葉が使われることも少なくなり、その定義そのものが曖昧となりつつある。活法は秘伝・口伝とされてきたため、歴史的な詳細はわかっていない。

柔術

日本古来の武術であり、素手や武器で戦うためのものである。江戸時代の末期には100を越える流派があったとされている。

柔道

明治15年に嘉納治五郎が柔術を基に日本の講道館において創始した武道である。しかし、現在の柔道に柔術の面影はほとんどないと言える。

 
 

歴史

殺法の裏技=活法

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ルーツは戦国時代にさかのぼる。

当時の武術には人を殺める殺法と蘇生を目的とする活法があった。表が殺法、裏が活法とされていた。

殺法は「古武術」として現代に伝承されている。一方、活法の多くは歴史の中に埋もれ、ほんの一部が伝承されているにすぎない。

活法とは負傷者や仮死者に施す医術であるが、殺める術と並行してこのような治療術が開発されたのはなぜか。そこには重要な意味があった。

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武術の腕次第で生死が決まる時代、稽古の激しさは容易に想像できる。怪我は日常茶飯事であったであろう。もし、傷ついた者がそのままでは稽古が続けられない。その当時、誰もがすぐに医者にかかれる環境ではなかった。負った傷はその場で癒さなければならなかったのである。

戦(いくさ)においても、傷ついた兵は素早く戦場に戻ることが要求される。すぐさま兵力を回復できなければ勝機を失ってしまう。武術と医術が表裏の関係になったのは、時代の影響が大きいと思われる。

戦国時代には中国の医学(中国医学)も伝わっていたため、その影響も受けている。活法は戦場での経験と東洋思想(陰陽論)が相まってできた。

 

秘伝・口伝=一子相伝

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活法にはいくつかの流派がある。その流派ごとに秘伝・口伝で継承されていた。いわゆる一子相伝の技術なのである。そのため、現存する書物にその影がわずかに残っているだけである(詳細な記載は皆無)。

明治時代以降、西洋医学絶対の思想が普及したため、活法は存続の危機に瀕したが、民間療法(療術)に形を変え生き残った。

いつしか、活法は「正体(せいたい)」と言われるようになり、さらに「整体(せいたい)」へと名を変えた。

つまり、整体のルーツは活法にある。しかし、歴史の中で各方面から影響を受けながら形を変えたため、ほとんどの整体に活法の面影を見ることはできない。

 

活法とあん摩マッサージ指圧

あん摩マッサージ指圧理論(教科書)の記載

◆「指圧は、古法あん摩、導引、柔術の活法に整体療法を合わせ、圧を主体とした独特の施術である。」(p.5)

◆「柔術の活法は、政治が武家の手に渡り、幕府が成立した頃から、武術が台頭し、剣術、槍術などと共に柔術も重視され、その修行中の事故の救急法の一つとして失神者を蘇生させるための衝撃法である。」(p.5)

疑問1

整体のルーツが活法であることから、「柔術の活法に整体療法を合わせ…」と記載は矛盾する。

疑問2

蘇生術であるという認識は我々が定義したところの狭義(2)である。しかし、あマ指で蘇生術を教わることはない。また、衝撃法と言える技術はあマ指に見られない。

結論

あん摩マッサージ指圧(資格制度)にまとめる段階で、既に数々の活法を含む古法は抜け落ちてしまった。それは仕方なかった。なぜなら古法は秘伝・口伝ばかりだったため、その技術を公開することはできなかったからである。古法は私たちの知らないところで細々と継承され、その技術の多くは消滅した。現在ではその一部が残るだけである。

活法と柔道整復

柔道整復師が行う業務は、もともと柔術の裏技である活法を利用して、捻挫や打撲に対して施術を行うものであった。しかし、柔術の技術が歴史に埋もれるのと同時に、柔道整復師の業務内容も変化した。その業務範囲も明確に定義されていない。

現在の柔道整復師は柔術とは無関係であり、柔術の遺産は受け継いでいない。言及するまでもないが、養成学校で行う柔道と柔術は別物であり「柔道家=活法を操る」ということにはならない。本来、活法を駆使して業にあたるはずの柔道整復師も活法とは無縁になってしまっているのが現状である。