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鍼灸師と柔整師のための鍼灸と整体の実践セミナー Seminar for Acupuncturist and Judo therapist

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「何となく」をなくす2日間——触診・刺鍼に集中する強化合宿

会員の布野聡一朗です。
 
今年も整動協会の恒例イベント「触診刺鍼強化合宿」が開催されました。
 
合宿2025_埼玉
 
この合宿は、普段のセミナーでは扱いきれない“触診”“刺鍼”の技術を徹底的に見直し、臨床力を底上げするための特別な2日間です。会場はさいたま市の別所沼会館ヘリテイジ浦和。整動協会の会員で、一定の受講条件を満たしたメンバーが全国から集まりました。
 

 技術の「極意」に迫る合宿

合宿の目的は、ただスキルを上達させることではありません。
 
施術の中にある「何となく」を徹底的に排除し、「意味のある動き」の純度を高めること。そのために、各場面で何を目的として触れているのかを深く理解しながら、丁寧に身体と向き合うトレーニングが行われます。
 
今年のテーマは「力の入れどころ、抜きどころ」。
 
無駄な力を抜くためには、まず“必要な力”を正確に把握することが欠かせません。実技では、取穴のわずかな精度の差や圧のコントロールが臨床に直結することを再確認し、参加者同士で感覚を共有しながら磨き合いました。
 
ある参加者は、「いつも触診の重要さは理解していましたが、今回改めて再確認ができ、コツもつかむ事ができました。臨床時、どうしても力みが入るので、明日から気をつけたいです」と語っていました。さらに「臨床時の栗原先生の思考が垣間見えて、ためになった」という声もあり、実技にとどまらない臨床の“思考の共有”も、この合宿の大きな特徴です。
 
合宿2025年(埼玉)
 

 触診を深めることで見えてくるもの

理論や経絡の理解がどれだけ深くても、実際にツボに正確に触れなければ効果は出ません。
 
この合宿では、教科書的な情報を超え、「実際の身体にどう触れるか」という技術者としての核心に迫ります。ときには一人一人が指摘を受けながら、自身のクセや改善点を見つめ直す時間も。継続して参加することで、自分の“伸びしろ”に気づく場でもあります。
 
「ツボが何たるかがわかる内容だった。“床を足で探って違いがわかる所”という説明がとてもわかりやすく、今まで受けてきた『手が止まる所』という説明との整合性が自分の中で取れた」という声もありました。技術をただ“教わる”だけでなく、“腑に落ちる”体験ができるのもこの合宿ならではです。
 
合宿2025(埼玉)
 

合宿ならではの空気感と学びの深さ

2日間をともに過ごす中で、参加者同士の距離も自然と縮まり、技術だけでなく臨床観や日々の取り組み方、経営にまつわる話題なども共有されました。懇親会もまた、この合宿の大きな魅力のひとつです。多様な経験を持つメンバーとの交流は、自分の臨床に新しい視点をもたらしてくれます。
 
初参加の方からは「触診は一見簡単そうですが、これだけで2日間では足りない奥深さがありました。観察が言葉で表現できない部分や、形式に当てはめられない部分を、症例を通じて理解できたのが大きかった」との感想もありました。技術の裏側にある“考え方”に触れられることも、この合宿の醍醐味です。
 
合宿2025(埼玉)_集合写真  
 

 初参加を検討している方へ

この合宿は、単なる「勉強会」ではなく、自分の技術を再定義し、次の一歩を踏み出すための実践の場です。
技術的な課題を抱えている方はもちろん、経験を積んできた方にとっても、基本を徹底的に見直す貴重な機会となるでしょう。
 
ツボへの「触れ方」が変わると、臨床が変わる——その実感を得られる2日間です。

2025年10月13日カテゴリー:セミナーレポート, 活動報告