【整動鍼 四肢編 11/15-16】
2020年11月15日〜16日の日程で、「整動鍼 基礎 四肢編 C日程」が開催されました。
普段の整動鍼・活法セミナーでは、再受講の方が3割程度を占めるのですが、今回の受講者は全員が四肢編初受講。
はじめは少し緊張した面持ちでしたが、大丈夫。整動鍼・活法セミナーの入門・基礎はまったくの未経験でもしっかり理解することができます。
鍼はすぐに効く
巷間よく言われているのが「鍼が効くまでには時間がかかる」という台詞です。
しかし、本当に効くまでに時間がかかるものなのでしょうか。
筋肉は瞬間的に動くことができます。
獲物を捕獲するとき、敵から逃げるときなど、周囲の環境に即座に対応するために発達してきた組織だからです。
熱湯に触れてしまったときの身体の反応を思い出してみてください。自分の意志とは無関係に筋肉が動き、危険から逃れようとします。
熱湯のような激しい刺激ではありませんが、鍼のような異物が身体に入ってきたのならば、無意識下でも身体は確実に反応しています。これは整動鍼だからできることではなく、どんな鍼の技術であっても起こっている現象です。
要は、それが意図的に引き出せているかどうか、自分が意識できているか、受け手に意識させられているのかどうか、ということです。
理論解説の時間に、栗原はこのような喩えで説明しました。
街を歩いていて、通りかかったところのお店が急になくなっていると「ここは何があったかな?」とわからなくなることがありますよね。これがいつも行っていた吉野家だったりすると、はっきりわかります。これと同じで、意識できないものは起こっていてもわからないんです。
意識できるようになるためには、今、自分が手にしている一本の鍼が、どのような結果をもたらすものなのかを知っていなければなりません。そして、整動鍼が提供するのがその「どのような結果をもたらすのか」という明確な答えなのです。
四肢編によって見える世界
四肢編の何よりの特徴は、脊柱の状態を調整することで手足の症状にアプローチできるという点です。
症状の出ている手足に直接鍼をすることで、ある程度結果が出せているという方もいらっしゃるでしょうが、ここに、脊柱の動きを整えるという「整動」の概念を取り入れることで、鍼灸師が見る世界は一変します。今まで手足として認識していたものだけが手足ではないということに気がつきます。
四肢の概念が拡張すると、少しずつ人の身体を全体で診られるようになってきます。手足と体幹という区分が、あくまでも人為的なものであることに気がついていきます。
そして、四肢編と並んで基礎3編のひとつを成す「脊柱編」との連携により、脊柱の問題は四肢で、四肢の問題は脊柱で診られるようになると、整動の世界はさらに展開していきます。
2020年の四肢編は今回が最後となりましたが、2021年にも複数回の開催を予定しています。
初心者でも受講できる「基礎 脊柱編」は2021年2月21日〜22日の開催予定です。
新しい会場で、新しい世界を皆さんにお見せするべく準備して参ります。(事務局 岡本)