セミナーレポート(連動思考編)「連動思考はシンプル思考」
代表の栗原誠です。
昨年(2024年)、11月17〜18日に整動鍼の応用「連動思考編」が開催されました。この連動思考編は応用の第一弾として投入された編となります。当時の感覚としては、基礎の脊柱編の増強版のような狙いがありました。
連動思考編の魅力を説明する前に脊柱編の魅力を説明しなければなりません。こちらに前回のレポートがあるので興味のある方はぜひページを開いてみてください。
ここでは簡単に説明して連動思考編の魅力に迫っていきます。
脊柱編は、整動鍼の根幹を表現しています。どこかに痛みや機能低下などの問題が生じているとき、脊柱に異常が生じています。この異常は形状に変化が生じているという意味ではなく、脊柱周辺に異質感が生じるという意味です。
圧痛であったり、硬結であったり、熱感や冷感であったり。左右差も重視します。異常感が軽減されると、症状も軽減することが多いことから、脊柱のコンディションは必ずチェックします。
ただし、直接脊柱周辺に鍼をするとは限りません。手足のツボも利用します。その基本を脊柱編で学びます。ツボというのは脊柱を整えるところ、という考え方をするのです。その関係性を学ぶと異常感に対してどこが効果的なのかわかるようになります。
法則があるからです。この法則は経絡学とは完全に切り離して考える必要があります。
では、この連動思考編は脊柱編とどのように異なるのか説明します。深く切り込んでいるのは、肩甲骨との関係です。肩甲骨は複雑に動きます。複雑であるということは、肩甲骨に関与する張力も複雑であるということです。
その複雑に張り巡らされている張力は脊柱と連動していて、脊柱にも複雑に張力が張り巡らされています。特に上部胸椎は複雑に見えます。
複雑であることは想像に難くありませんが、複雑なままにしておいたら臨床で扱うことができません。そこでどことどこが関係しているのかというところを、ミリ単位で明らかにしていきます。
ミリ単位というと「えっ、そんなに細かいの?」と尻込みをされる方もいらっしゃるのですが、複雑なものが細かくチェックすることでシンプルに見えていくのです。その結果、体に生じている問題が扱いやすくなります。
こうした基本的な理論と実践に加えて、臨床に役立つ連動パターンを盛り込んでいるので実用性も高いセミナーです。今回も楽しくできました。
またね。
2025年1月23日カテゴリー:セミナーレポート