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鍼灸師と柔整師のための鍼灸と整体の実践セミナー Seminar for Acupuncturist and Judo therapist

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セミナーレポート(身心和合編)「東洋医学をもっとわかりやすく」

東洋医学をもっとわかりやすく

代表の栗原誠です。

去る、9月29日(日)〜30日(月)に、整動鍼の身心和合編が開催されました。これは応用編に属する内容で、基礎編まですべて履修された方が対象となります。

 

それぞれのセミナーは、テーマが独立していながらも他のセミナーと接続できるようになっていて、受講すればするほど広い視野で人体を観察でき、対処できる症状が広がります。身心和合編の内容に触れる前に、セミナーをするときに大事にしていることを説明します。それは、受講した人に「確実にできることが増えた」と実感していただくことです。

もちろん、伝えたい内容を100%届けることは無理かもしれませんし、受け取ってもそれを十分に再現できるとは限りません。現実的な目標としては再現できそうな見通しが立つことです。整動鍼を受講する多くの方が続けて受講されています。それは、臨床の現場で再現できる確率が高いからです。そうでなければ続けて受講されるはずがありません。

 

再現できるから上手くなる

再現性の高いものを手にすると鍼灸が本当に面白くなります。「鍼が面白くなった」という感想がとても多いです。ほとんどの方が自分で選んで鍼灸師になっているはずですから、面白いと感じることが確実にモチベーションに影響するでしょう。患者さんに喜んでいただくことは大事ですが、それ以前に鍼灸師が楽しいと感じる仕事でなければ上に登っていけません。

再現性を高めようと思ったら、特定の人にしか理解できない理論はNGです。特定の人にしかできないテクニックもNGです。適切な言葉が見つかりませんが、下手でも下手なりに効果が出る方法が望ましいのです。最初は下手でも効果が出ていれば楽しく続けられるので上手くなる機会が訪れます。

安心してください。私たちのセミナーは上手さを競う場ではありませんから、それぞれのレベルで実践していただければよいのです。このセミナーも応用編に位置づけられていますが、基礎編まで受講していればどなたでも大歓迎です。

 

身心和合とは

整動鍼は運動器疾患が得意と認識されていると思いますが、整動鍼がアプローチするのは筋肉や関節の動きだけではありません。心の動きも対象です。「心に響く鍼」というスローガンではありません。筋肉や関節の動きは心に影響するという因果関係を使用します。直接心を扱うのは難しいですが、これまで通り筋肉や関節であれば鍼で変化を追っていくことができます。

手応えをつかめないもの、客観的に扱いづらいものは、共有できません。そこで便利なのが呼吸です。呼吸は「息」とも言います。「息」は「自らの心」と書くくらいですから、心理は呼吸に現れます。ですから、呼吸を整えると心も整います。整動鍼ではこのように考えて、心にアプローチします。

具体的には呼吸筋を整えたり、気道を通りやすくするために喉周辺の筋肉の緊張を緩和させたりします。受講者の中には「身心和合編を受けるために整動鍼を始めた」という方もいらっしゃるくらい人気があるセミナーです。

整動鍼は、従来の鍼灸に対向する立場から生まれたと誤解されやすいのですが、整動鍼のコンセプトは従来の鍼灸が着目していなかったツボと動きの関係です。これまでの鍼灸と合わせることで、鍼灸のポテンシャルを引き出せると考えています。特に、この身心和合編は、整動鍼が提唱する新しい視点と従来の鍼灸が大切にしてきた視点が重なり合います。

 

東洋医学に再挑戦

この身心和合編はある意味で東洋医学に再挑戦するセミナーです。脈診などの共有しづらい手法ではなく、動きを観たり、筋肉を触診するなど、誰でもわかる方法に置き換えていきます。共有できることは習得しやすいということであり、伝承しやすいということです。いくら長い歴史があっても、一人ひとりが一から試行錯誤していたのでは前進しません。整動鍼は始まったばかりですが、未来につながる方法を選択するようにしています。

 

整動鍼セミナー写真_身心和合編

 

今回もたくさんのご参加ありがとうございました。

またね。

2024年10月14日カテゴリー:未分類