整動鍼の最高峰への招待
待ちわびた時が来た
2019年末から世界を大混乱に陥れた新型コロナウイルスの感染者数が、ここへきて激減しています。
このときをどれだけ待ちわびたことか。
整動鍼・活法のセミナーも大きな打撃を被りました。キャンセルが相次ぎ、企画していたイベントや合宿は延期。いくつかのセミナーも中止を余儀なくされました。無事に開催できたものでも、参加者はその数を大きく減らし、参加者同士の交流もどこかぎこちなくなりました。
セミナー後の楽しみとして、参加者同士の交流を深めることに一役買ってきた「たべたりのんだり会」も開催できません。
かつて、あれだけ賑やかで和気あいあいとしていたセミナーの風景は、どことなく寂しいものになってしまいました。
地方都市では東京に行くことを口にするのもはばかられるという状況で、遠方から来られた参加者の中には「帰宅後は家庭内で隔離すると言われた」とか「職場や身内には内緒で来た」とおっしゃる方が少なくありませんでした。笑い話のように語るのを聞きながら、胸が苦しくなるのを感じました。
それでも、そんな時期にもかかわらず、というか、そんな時期だからこそ、というべきか、「その後」を見すえて整動鍼・活法を学ぶべくセミナーに来てくださった方々のことを、わたしたちは忘れません。さまざまな事情で身動きが取れなくなりながらも、見守っていてくれた方のことを、忘れません。
オンラインでは手に入らないもの
従来のような形での開催が難しい状況であっても、わたしたちはセミナーの開催を止めませんでした。
世の中のあらゆるセミナーや勉強の場がオンラインに移っていっても、オンラインで身につけられるものと、そうでないものがあります。
鍼の技術は、かなりの部分が後者に属するでしょう。
オンラインは、補完としては役立ってくれても、自分が鍼灸師として身を立てていく柱としていくには非常に心もとないものだと言わざるをえません。
もちろん、私たちもオンラインの恩恵を受け、セミナーを配信してますが、それはあくまでも補助的なものです。わたしたちの仕事そのものがオンラインでは成り立たないものなのだから、当たり前のことです。
オンラインで修行した美容師に髪を切ってもらいたいと思うでしょうか?
オンラインでの練習しかしてこなかった歯科医師に歯を抜いてもらいたい人がいるでしょうか?
オンラインの学習しかしてこなかった医師に手術をしてもらいたい人がいるでしょうか?
私たちの仕事は、生きた人間の身体に触れることができなければ始まりません。
患者さんとの向き合い方、立つ場所、身体に触れるときの力加減、鍼を打つときの姿勢、鍼の深さ、効果の確認……画面を見つめているだけで一連の技術を身につけることはできません。それは、どうしても人間が人間に直接伝えなければならないものです。
一度でもセミナーに参加したことのある方や、技術について本当に理解のある鍼灸師であれば、このことは十分に理解できるはずです。
だから、苦しい中でも、わたしたちは現場に立ち続けました。
新セミナー「臨床 五節相応編」のリリース
さて、10/17-18からは新セミナー「整動鍼 臨床☆五節相応編」が始まります。2年ぶりの新セミナーとあって、久々の満席。武者震いがします。
入門・基礎・応用を経て、「臨床」に駒を進めた受講者たちも、一人残らず生半可な人たちではありません。皆、この困難な時期を乗り切ってきました。そして、整動鍼・活法の技術がいくらかでもその役に立っていたのなら、これほど嬉しいことはありません。
世の中の情勢はまだまだ予断を許しません。光は見えてきましたが、またすぐに暗闇に覆われるかもしれません。だからこそ、わたしたちはここで鍼灸師のための火を灯しつづけます。
「整動鍼 臨床☆五節相応編」は、「運動器疾患における整動鍼の完成形」を披露するものとして編まれました。
その前段階として存在するのが「応用 五体躍動編」、さらにその前段階のカリキュラムが「基礎 四肢編」です。
「入門」から「基礎」、そして「応用」、最後の「臨床」へと進んでいくにつれて、人体の構造の巧妙さ、鍼というツールの優秀さを理解していくことになります。
鍼の最高峰を目指すその第一歩にあたるのが、整動鍼の「入門」「基礎」セミナーです。
最高峰に立つための、第一歩をともに歩みませんか。
(整動協会 事務局 岡本)
2021年10月16日カテゴリー:協会について