経絡の正体に迫るのは「閃く経絡」か、「ツボがある本当の意味」か！？

整動協会副代表の谷地です。

昨年末より、NHKのテレビ番組で鍼灸が何度も特集されています。内容もこれまでのキワモノ的な扱いや、美容系に偏ったものとは違い、医療としての鍼灸への期待が感じられるものです。

鍼灸への関心が高まる中、鍼灸に関する2冊の書籍が販売され、鍼灸師の間で話題になっています。

1つはダニエル・キーオン著「閃く経絡」、もう一つは栗原誠著「ツボがある本当の意味」です。

イギリスの救急診療専門医であるダニエル・キーオンと、日本の鍼灸師・栗原誠、立場も経歴も全く違う二人の著者ですが、両書籍とも「経絡」についての説明に重点を置いています。そして、興味深いことに、両者は経絡に対して全く逆の態度をとっています。

経絡と鍼灸

経絡は、鍼灸を説明するために欠かせないものです。東洋医学では、人体には、経絡という見えない気の通り道があり、経絡に不具合が起こると病気になると考えられてきました。鍼灸は経絡を整えることを目的として技術体系が作られてきました。

見えない世界を見える化する？見えないままにする？

「閃く経絡」では、経絡をファッシアを中心に、西洋医学の組織学的なもので説明しようと試みています。その試みは、ファッシアにとどまらず、東洋医学の「気」や「陰陽五行説」まで広がります。見えない世界の存在を見える世界の物質に当てはめて辻褄を合わせていくという、かなり大胆な試みがなされています。

 

一方、「ツボがある本当の意味」では、経絡は見えない世界のものであるという前提で書かれています。具体的には、経絡は物理的には存在せず、ツボへの鍼刺激が引き起こす現象を説明するためのデザインであるという所から、鍼灸の説明がスタートしています。

経絡を一旦忘れてみたら、、

経絡というデザインを一旦保留して、ツボへのはり刺激が引き起こす現象を詳細に観察すると、臨床において非常に有効である発見が数多くあります。中には、経絡の理論に非常に近い現象もあります。経絡を一旦忘れることで、不思議と、昔の人がこの現象を経絡にまとめていった足跡が見えてきます。

「閃く経絡」だけでなく、「ツボがある本当の意味」も相当大胆な試みなので、鍼灸師から賛否両論寄せられています。

しかし、「ツボがある本当の意味」は、圧倒的な再現性が信憑性を裏付けています。

私は、医師・研究者の協力のもと、週に一度、鍼治療の効果を研究しています。脳研究の最先端の機器で測定しながら、1年以上データを採ってきました。のべ数百人に上る臨床での検証では、驚くべき再現性が確認されています。

鍼灸を科学で解き明かそう

「閃く経絡」も「ツボがある本当の意味」も、今まで見えないものとされてきた鍼灸の世界を科学という視点で解き明かそうという試みから生まれた書籍です。

しかし、方法論も着地点も、そこから導き出される最適な施術方法も全く異なります。なぜ、そうなるのか、一鍼灸師として、非常に興味深い所です。ここに迫れる可能性のあるイベントがまもなく開催されます。

 

3月24日（日）、東京の日本橋で「ツボがある本当の意味」の出版記念イベントが開催されます。

ここには「ツボがある本当の意味」の著者である栗原誠はもちろん、「閃く経絡」を監訳した須田万勢氏がゲストとして参加します。2つの書籍の異なる経絡へのアプローチ、二人はどのような見解を示すのでしょうか。さらに、整動協会と共同で鍼治療の研究プロジェクトを進めて頂いている加藤容崇氏にも参加頂き、鍼治療の最新の研究についても紹介して頂く予定です。

 

また、再現性の高い鍼治療とはどのようなものか、栗原が実際にデモをして、医師と共に分析していくという前代未聞の試みにもチャレンジします。

 

本を読んでみて興味を持った方、これから本を読んでみようと思う方、本を読んでイマイチ分からないところがある方、とても良い学びの機会になると思います。是非ご参加ください。

 

●開催場所
東京都中央区日本橋茅場町1-8-1茅場町一丁目平和ビル　１階　FinGATE　KAYABAE
都営地下鉄　茅場町駅　徒歩1分
都営地下鉄　日本橋駅　徒歩4分
地図：https://goo.gl/maps/NAy5zvnBFU42

●開催時間
3月24日(日)
1部　講演・対談　14:30〜16:30
2部　交流会　　17:30〜19:30
※交流会はケータリングによる軽食と30種類のドリンク飲み放題を用意しております
※交流会はイベントと同じ会場で行います
※交流会のみの参加はできません

●料金
1部　イベント　2000円
2部　交流会　　3000円
※整動協会会員は無料でイベントに参加できます

●募集人数
100名

●申し込み
以下のフォームより質問に答えながらお進み頂くと申し込みができます。
https://goo.gl/forms/jXyNq7zFVbPoLjnH2
（注）第2部の申し込み受付は終了しました。第1部のみ受け付けております。

●スケジュール詳細
14:00　受付開始
14:30　イベント開始
16:30　イベント終了
〜交流会準備・書籍販売・サイン会〜
17:30　交流会開始
19:30　交流会終了