プロボクサー鍼灸師・若林耕先生インタビュー
プロボクサーであり、鍼灸師でもある!?
整動協会副代表の谷地です。
整動協会はアスリートの支援をしています。現在、3名のアスリートとスポンサー契約を交わしています。
その中の一人、プロボクサーの若林耕選手は、鍼灸師でもあり、整動鍼を学ぶ仲間でもあります。
プロボクサーとしての戦績は1勝0敗(1KO)、階級はミニマム級です。
昨年、32歳でプロのライセンスを取得した若林選手。デビュー戦の活躍から、新人王トーナメントに大抜擢されました。
5月1日、後楽園ホールで、新人王に向けた最初の試合に出場します。
ボクサーとしては、決して若いとは言えない、33歳という年齢での新人王挑戦。
プロボクサー鍼灸師は、何を考え、何を得ようとしているのでしょうか。
今回は、インタビュー形式で、若林耕選手の素顔に迫ります。
このまま死んだら後悔すると思った。
男なら誰でも一度は憧れるボクサーですが、本当に挑戦する人は限られています。ボクサーになろうと思ったきっかけは何だったのでしょう?
鍼灸師になる前は整備士をしていました。整備士として勤めていた工場の近くにボクシングジムがあって気になってたんです。仕事に身体が慣れはじめた頃、運動不足の解消をしたいと考え、ボクシングジムに入会しました。
アマチュアとしてボクシングを続けていたわけですが、ボクサーとしては若くないと言える32歳で、プロのライセンスを取ろうと思ったのはなぜですか?
ボクシングをやる以上、プロボクサーへの想いはありました。しかし、きっかけをつかめずに長年過ごしてきました。そうこうするうちに、兄の治療院で鍼灸師として働き始め、ボクシングは趣味でいいかな、とも考えるようになっていました。でも、「挑戦せずに、このまま死んだら後悔するな」という想いが強くなり、思い切って挑戦してみることにしました。
鍼灸師になった意外な理由
ボクシングを続けながら整備士として働いていた若林さんが、鍼灸師を志すきっかけが想像できません。なぜ、鍼灸師になろうと思ったのですか?
整備士として働いていたときに、異動を命じられました。勤務地が変わると、ボクシングが続けられなくなるので悩みました。そんなとき、カイロプラクターとして働いていた兄から、「鍼灸師になってみたらどうか」とアドバイスされました。鍼灸師であれば、働き方もある程度自由に選べるので、ボクシングが続けられると思い、決心しました。
ボクシングを続けるために、鍼灸師になったわけですか!?
そうですね(笑)
プロボクサーで鍼灸師である事のメリット、デメリット
プロボクサーであり鍼灸師でもあるという人は珍しいと思います。なにかメリットを感じることはありますか?
ボクサーはケガや痛みがつき物です。色んな種類のケガや痛みを経験することで、同じような症状を抱える患者さんの気持ちが、非常によくわかるようになりました。また、自分が治療を受けることで、痛みが解消したときのメリットや喜びを深く実感できるので、治療に対するモチベーションを高く保てています。
ボクサーをはじめとするアスリートと同じ視点を共有できるというのは、治療家としての強みですね。スポーツ系の治療はお任せ!という感じですか?。
そう思っています。ボクシングをはじめとする格闘技関係の方、あとは、ゴルファーの方のご相談も多いです。さらに、現在は、バレリーナの方達の治療にも力を入れています。ストイックに身体の限界へ挑戦するという部分では、ボクサーと共通するところが数多くあります。また、整備士だったこともあり、身体のメカニカルな分析に興味を持っています。バレリーナの体の使い方は、メカニカル的にも大変美しいと感じます。バレリーナが抱える、腰痛や股関節痛など、整形外科は苦手な症状でも、はり治療(整動鍼)であればお役に立てることが少なくありません。そういった意味でも、やりがいを感じています。
逆に、プロボクサーであり鍼灸師であるからこその悩みはありますか?
試合のための減量しているときは、口が凄く渇きます。そのため、施術するときに、やや口数が少なくなってしまいがちなので、注意をしています。
プロボクサーと整動鍼
自分自身で整動鍼を受けてみて、他の治療法との違いは何か感じますか?
施術を受けてすぐに、動きの問題や痛みが解決されるので、不安無く練習に集中できます。「ここが痛くなりそうだから、この練習は出来ないかもしれない」という不安を抱えて練習するのは、すごくストレスになるのですが、それが無くなるのは大きいですね。頭空っぽで練習に打ち込めています。
あと、痛みがあると、身体を動かせなくなるため、減量がつらくなります。減量が楽になるというのも大きいですね。
では、使う方として、整動鍼は今までの鍼治療とどんな違いを感じますか?
鍼の本数が減ったことが大きいです。少ない鍼で結果を出せるので、患者さんの身体の負担が少なくて済みます。また、施術の時間も短くなったので、患者さんに無駄な時間を取らせずに済むというのも、大きなメリットです。
試合に向けて
5月1日、後楽園ホールで試合があります。対戦相手について教えて下さい。
ワタナベジムという世界的に有名なジムに所属する18才の若い選手です。リーチが長く、距離を取って戦うタイプの選手だと分析しています。
対して、若林選手は近距離で戦うタイプですよね。
はい。相手の長いリーチをかいくぐって、懐に潜り込み、いかに自分のパンチを打ち込めるかが勝敗の分かれ目になると思っています。
ボクシング漫画でも一番燃える展開ですね!!整動協会をはじめ、多くの人が応援しています。最後に、試合への意気込みをお聞かせ下さい。
はい。とりあえず試合まで減量を頑張って、おもいっきり殴りたいと思います。
ありがとうございました!!
誰よりも優しいタッチ、誰よりもえげつないパンチ
普段はとても温厚でやさしい若林先生。勉強会の時に実感するのですが、ツボを探るタッチは、誰よりもソフトで繊細です。
そんな若林先生が、リングに上がると、すっかりキャラクターが変わり、えげつないパンチを繰り出します。ボディーブローでノックアウト勝利した鮮烈なデビュー戦は、忘れられません。このギャップが、若林先生の大きな魅力です。
33才のオールドルーキーがプロの世界でどこまで行けるのか、鍼治療の可能性の追求という点でも、大変意義のある支援だと我々は考えています。
鍼灸師の皆さん、ぜひ、若林先生を応援して下さい!!
若林耕先生の治療院です≫ 札幌市手稲区【アネストsin灸院】鍼灸専門の鍼灸院。
実際の施術はこのように行っています。
2018年4月23日カテゴリー:アスリート支援
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