張力理論を語る(2)~単連動と双連動~
映像教育部の谷口です。
前回の記事(張力理論を語る(1)~点を線で答える思考~)に続き
今回も整動鍼の「張力理論」についてお話します。
前回は、引っ張り合う二点を定めることが重要だとお伝えしました。
今回はもう少し踏み込んで、二点の関係性について説明します。
二点の張力関係には「単連動」と「双連動」の2種類があります。
単連動
単連動:AがBを一方的に引っ張る(BはAを引っ張らない)
引っ張られている側Bに痛みがある場合、引っ張る側Aに鍼をします。
すると引っ張る力が是正されてBの痛みが軽減します。
痛みの出ているBが「発痛点」、引っ張っているAが「原因点」となります。
双連動
双連動:AとBが互いに引っ張り合う関係
この場合、AとBは互いに引っ張り合いをしているので、発痛点と原因点
は相対的な関係です。痛みが出ている方が「発痛点」となり、もう一方が
「原因点」となります。
ここで注意すべきは、張力関係にあるAとBは一つの筋肉内での関係(起始、停止)
ではないということです。ABは解剖学的な解釈ではなく「動きの観察」から
導きだされた関係です。
たとえば、太もものツボを使って腰の緊張をとることができます。
これは離れた筋肉であっても張力が発生しているからです。
過度な制限が痛みを生む
張力を整えるとは、「体が快適に動かせること」でもあります。
時と場合に応じて、伸びたり縮んだり伸縮自在に対応できることです。
そのためには適度な制限(張力)が必要になります。
しかし、張力に狂いが生じると運動器に問題が生じます。
問題の原因は、過度な制限によるものです。
その制限が緊張を生み、第2、第3の緊張を引き起こすことになります。
A点とB点の張力関係や連動パターンを利用すれば、過度に引っぱっている
側(ツボ)に鍼をすることで過度な制限を解除できます。
また、その先に続くC点、D点・・のような第2、第3の問題も同時に
解決できることが連動思考によるツボ活用なのです。
まとめ
二点間で引き合う張力関係には 単連動・双連動の2つのパターンがあり
ます。連動パターンを把握した上でツボを活用することができれば、局所鍼
では得られない「動き」の回復と「鎮痛」を同時に実現することができます。
2018年3月5日カテゴリー:整動鍼
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