【経営サミット2019】感情を理解して集客と売上を安定させる
失敗しているからこそ強い
8月18日(日)に開催される経営サミットでは、私の16年間をお話します。とは言っても全てをお伝えすることはできません。そこで、私にしか伝えられないことは何かを考えて見ました。
私の経営は順風満帆とは言えません。失敗が多いのが特徴です。
「栗原さんは失敗が多いですね」
と言われたこともあります。改めて考えて見ると、失敗をし続けても廃業せずに生き残っています。廃業するほどの失敗をしていないとも言えますし、失敗から学んできたと言うこともできます。いずれにしても、運まかせでは16年間生き残れなかったと思うので、生き残れた意味をみんなと共有しようと思います。
経営は命です。命と同じで病気をしたり怪我をすることがあります。回復できるかどうかは経営者次第です。さらにいえば、経営者の「やる気」次第です。どんなに資金があっても、どんなに人材が豊富でも、やる気がなくなった時点で事業は命絶えます。
逆に、資金が少なくても人材がいなくても、経営者のやる気が続けば事業は存続できるものです。このように考えると、一番大事なのは経営者の心だと言えます。しかし、経営者がどのように感情をコントロールしエネルギーに変えて行くのか、ということに触れる機会は少ないと思います。
私は、キレイゴトを話すつもりはありません。ネガティブな事情も隠しません。できるだけ正直に心情をお話して、感情を共有していけたらと思います。経営者は孤独です。理解されるだけで孤独から抜け出すことができます。私がお手伝いしたいのはそこです。
一人で悩んでいないで一緒に悩もうよ、というお誘いです。経営サミットでは、鍼灸師と患者さん、という2つの視点から感情を理解し、患者さんが集まる鍼灸院をつくる方法を提案しようと思っています。
参加される方も、そうでない方も、経営に悩んでいる人はこの記事を最後まで読んでみてください。少しだけ勇気を分けられるかもしれません。
順調な経営者はいない
順調な経営はどこにあるのでしょうか。
羨ましいと思える経営者がいても、順調に見えているだけ、順調に見せているだけ、というのが実際のところでしょう。独立して事業主になると収入を得るために必死にならざるを得ません。心が休まる時間はどれくらいあるでしょうか。独立は孤独への道です。
私は、2003年4月に群馬に鍼灸院を開設しました。今が2019年6月ですから丸16年鍼灸院をやっています。良い時も悪いときもありました。最初の1年は大赤字ですから、けっして順調なスタートではありませんでした。2年目で売上らしい売上になり、収入らしきものが生まれたのは3年目からです。
開業して5年も経つと、患者さんの入りは安定していて、一人でやっていくには十分な状況でした。でも、私の心は常に不安だったのです。「これは何か違う。このままでよいのか」と問いかけ始めていました。そんな頃に出会ったの活法でした。すぐに夢中になり、楽しくして仕方ありませんでした。これまでの鍼灸では見えなかった世界が見えてきたからです。
実は、活法を導入したことで売上が減りました。でも、不安はなかったのです。売上よりも価値があると思える結果を得ていたからです。半年後、売上は最高を記録しました。
活法は私の価値観を変えました。経営の考え方も変わりました。リピート対策のようなものは一切やめて「患者さんが早く良くなったらそれでいい」というシンプルな思考をするようになりました。「リピートしてもらわないといけない」という呪縛から解放され、気持ちがラクになりました。それからリピート率は下がるどころか上がったのです。思考が変わって私の態度や行動が変わったからです。
事業は個人事業から法人になりました。従業員も雇いました。そして今に至ります。端から見たら、しっかり収入もあって豊かな生活をしていると思われているかもしれません。
しかし順調なことばかりではありません。悩みが絶えることはありませんし、収入も大きく増えたわけではありません。大きなプレッシャーもあり、押しつぶされそうになることもあります。増え続けるタスクの中で溺れそうになっています。
スタッフ人数が増えて売上が上がったら経営者はラクになるかといえば、そんなことはありません。むしろ、負担が増えてしまう場合も多いです。毎日が試験前夜のような気持ちで過ごしています。今はいちばん欲しいのは、趣味に没頭できる休日です。そんな気持ちとは裏腹に、使える時間は減るいっぽうです。
しかも、2、3年で社会は変わります。時代の流れに組織レベルで対応していくには、変わる勇気を常に持ち続けなければなりません。
今、深刻な人手不足に悩まされています。解消しなければ、私は消耗してしまいます。不安と共に過ごしています。
自分の感情を第一に考える重要性
ここまで読んできて、どう思われたでしょうか。
「精神的に大丈夫だろうか?」と思われたかもしれません。実は、あえてネガティブな感情を隠さずに書いてみました。なぜなら、「感情の動き」が今回のテーマだからです。
鍼灸院を経営したり、勉強会を運営してきた経験から、「自分の感情」を味方につけることが何よりも大事であると気がつきました。集客するにしても技術を習得するにしても、そこには目的があります。その中に「自分を満足させる」という重要な目的があるはずです。
①患者さんに何ができるかを考える
②患者さんの視点で考える
ということは、すでにたくさんの方が言っています。もちろん、とても大事です。
しかし、自分の心を大切にできなければ、患者さんの心は大切にできません。
だから、自分を大切にして経営をしようという提案です。自分が満足しなければ、長く続けられません。満足できなくなり、やる気がなくなった時に経営は終わってしまいます。
経営者が満足し、やる気に満ちている。
患者さんは、こういう経営者がいる鍼灸院に通いたいと思うのではないでしょうか。つまり、私たちが満足し、やる気に満ちている状態というのは、患者さんが集まる鍼灸院になるのです。患者さんは、私たちの行動や態度をいつも見ています。そのことを見逃しがちです。
自分の正解を持つ勇気
経営者がやる気を失わなければつぶれません。どんなに深刻な状況であっても乗り越えることができます。
その時に大事なのは、人と比較をしないことだと思います。それぞれ、みんな環境が違っていますし、個性もあります。目的が違うかもしれません。全国に鍼灸院を展開していくことを目標としているのと、1院を家族で仲良く経営していきたいという目標では、やるべきことが違います。成功の定義も違います。
自分の正解を作らず、人の評価で経営していると、いつまでも見えない期待を相手に経営をしてしまい、いつまでも満足を得ることができなくなってしまいます。
実は、私自身にも当てはまることです。
常に周りの目が気になっています。実は、東京の院は人手不足で廃業の危機にさらされています。廃業はしませんが厳しい状況であることは確かです。この状況がどう見られているのか、とても気になります。ここに落とし穴があります。人の評価を気にしているということですから、経営の本質を見失う恐れがあります。
ここで、少し経営状況を説明しておきましょう。
東京は3院を展開する予定でした。計画通りであれば、今頃3院目を開院しています。1院の鍼灸師が3名くらいで計算すると、10名くらいの鍼灸師になります。これくらいの規模で鍼灸院をやっていこうと思っていたのです。
しかし、この半年で退職者が4名も出るという予想外の出来事があり、計画は遠のいてしまったのです。集団退社は評判に関わるので、社内でも「何かあったと思われたらよくない」と心配する声も出ました。「人を大事にしないからスタッフがやめるんだ」と噂する人もいます。
そう言われて、あまり良い気分ではありません。でも、それに付き合うつもりはありません。事情を知らない人が正解を持って来てくるはずがないからです。
それぞれの事情があって退社が重なりました。退社が続くことは予測できていましたので、問題は求人に力を入れてこなかったことです。求人力がないのが経営の問題点です。
求人に力を入れてチームを盛り上げて行きます。ちなみに、集客より求人の方が100倍難しいと感じています。
私の目標は、鍼灸で世界を驚かせることです。一人では実現できないので、チームをつくって実現させようと思っています。売上や人数より、影響力の方が重要です。私が組織にこだわっているのは影響力を強くしたいからです。
整動鍼や活法で世界にインパクトを与えられる経営が私の正解です。必ずしも、正解を売上アップにする必要はないわけです。経営者それぞれが自分の正解をつくり、それを信念としてやっていくことが何より大事だと思います。
「患者さんのために」の前にやるべきこと
信念というものは、「誰かのため」である必要はないと思います。まずは、自分の幸せを考えることが大切です。自らを活かせなければ誰かを活かすことはできないからです。
技術論でもいえることです。自分が思い通りに動けなければ、誰かの役に立てません。理論を学ぶことも、最適な手を迷わず迅速に引き出すためです。
考えてみてください。なぜ、鍼灸師という職業を選んだのか。この職業を選んだことが自分の幸せになると思ったからではないでしょうか。こんなふうに考えることは、悪いことではありませんし、「患者さんのため」を裏切ることではありません。
患者さんが体を預けたくなる人は、鍼灸師という職業に満足している人だからです。だから、患者さんのために何かをしたかったら、自分が満足できる方法を選んでほしいのです。それを信念にしてほしいのです。
コミュニケーションこそ集客の原資である
一方向の情報発信の時代はとっくに終わり、今は双方向に情報が行き交う時代です。もう誰も一方通行の情報など求めていません。
この時代では、コミュニケーションそのものが集客です。ただし、そのコミュニケーションは、常にこちらが起点にならなければなりません。コミュニケーションという意識が足りない人は、時代から取り残されていきます。コミュニケーションを軸に仕事を組み立てると、施術を集客も自然とうまくいきます。
これって原点回帰です。インターネットが普及してから10年間の方がむしろ異常だったのだと思います。情報発信の量と質で集客できてしまいました。すでに時代は、どんな形で人とつながっていくか、になっています。
ただし、注意したいのは、患者さんになりそうな人を狙い撃ちすることです。いつ誰が患者さんになるかわかりませんし、誰が紹介してくれるかわかりません。自分(集客)の都合でコミュニケーションをしたらいけないのです。
患者さんが本当に欲しがっている情報とは何か
患者さんは、治る方法を探しています。誰に受けたいかではなく、何を受けたいか、です。最初から人を探しません。①方法や手段を探し、次に②立地や料金などの条件が気になります。最後に③人です。
私が理想とする集客は、①と②をできるだけ自動化して低コストにすることです。そして、③にコストを注ぎます。ツボネットは①と②を自動化させる目的があります。お気づきの通り、①と②は決定打になりません。③が加わって集客は成り立ちます。
コンサルは「差別化」という言葉が大好きです。「あなたの院の魅力は何ですか?」と聞いてきます。でも、患者さんは本当に鍼灸院の差を知りたいのでしょうか。差別化という言葉は、市場で生き残るための作戦であって、患者さんの利とは本来無関係です。
患者さんにとって「違い」が重要ではありません。重要なのは「あなた」です。「あなた」を知ることが重要なのです。知らない人に体を預けるよりも、知っている人に体を預けた方が安心です。
「あなた」の性別や外見も必要ですが、もっと重要なのは心です。活法ラボでは、メンバーがブログを書いて公開する前に、一度私が目を通します。その時にチェックしているのが「自分の気持ち」が入っているかです。入っているほど高評価です。そうしているのは、患者さんが知りたい心を伝えるためです。
「自分の気持ちを書くだけ」
なのですが、苦手な人は難しく感じます。普段から自分の気持ちを向き合っていなければ、言語化できないからです。自分の気持ちと向き合うには感情の理解と整理が必要です。とても大事なことなのに、マーケティングの影に隠れてしまっています。
経営セミナーでは、ここを掘り下げていこうと思います。
患者さんは、いつもあなたの心を見ている
リピートしてもらうには、どんな会話をすればいいか、と話題になることがあります。そんなことを考える必要なんてない、と思っています。事はシンプルです。「通いたいから通う」だけです。患者さんは必要性があれば通います。本当に必要だと思っている人はお金も時間もつくります。
私は、思っていること患者さんにそのまま伝えます。気をつけているルールはたった2つ、「患者さんを否定しない」と「患者さんを不安にさせない」です。また、何も言わなくても患者さんは情報を受け取ります。あなたの、しぐさや言葉遣い、説明、施術を通して、あなたの心を見ています。無意識であなたを評価しています。
どこかのお店で店員さんに腹が立つのは、店員さんの心を見ているからです。約束の金額で品物やサービスを提供してもらうことだけを期待しているなら、店員さんを腹立たしいと思いません。きっと施術でも同じです。患者さんは、施術者の心に関心を持つものです。
テクニックがなければ患者さんの役に立てません。でも、そのテクニックを活かすために、施術者は自分の心と向き合うことが大事です。
ツボネットの近況報告
ツボネットが5月に有料化され、本格的な運用が始まりました。ツイッターでの自動配信も始まっています。その成果もあって6月に入って訪問者数が急増しています。
ツボネットの集客効果について近況を報告します。またツボネットで実現したい未来についてもお話します。次なる展開を用意しています。
経営サミット2019 開催概要
日時:8月18日(日) 10:30~17:30
費用:会員 30,000円 非会員 35,000円
会場:大橋会館(東京)
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