臨床で違いが出る、触診の秘密とは。
どうしよう、ツボみたいなのがたくさんある!!
副代表の谷地です。
臨床でツボを探っていると、ツボっぽい緊張が沢山見つかってしまうということはないでしょうか?
整動鍼のセオリーでいくと、その中の最大緊張点がツボとなるのですが、最大緊張点を探そうとすればするほど、より多くの緊張を見つけてしまい、さらに分からなくなっていくという現象が起こります。
この現象を個人的にツボの沼にハマると呼んでいます。
そんなとき、ツボは圧痛が出やすいという特徴を利用して、押すとどれが一番痛いか患者さんに聞くというヤリ口で切り抜けたいところですが、一番痛いところがツボというわけではないという落とし穴があります。
整動鍼はツボが生命線です。
目の覚めるような成果を出すためには、ツボの精度が重要になってきます。
しかし、患者さんに紹介して頂いた新患さんへの施術など、結果が求められる時に限って、ツボの沼にハマる現象が起こりがちです。
ツボの沼を回避する方法はあるのでしょうか?
鍼灸師ハードモードplayを繰り返す日常
病院との共同研究がはじまって以来、ゲームならハードモードとしか言えないような条件で、私は施術を繰り返してきました。
ハードモードたる特徴を以下に挙げてみます。
① 実験の性格上、鍼一本で結果を求められる
②被験者の症状はその場で知らされる
③末期ガンの方や、難治性神経疼痛の方など、最新の医療でも難しい症状の方が突然来る
④ 4億円のマシーンで測定されながらの施術
⑤症状を聞いてから、施術を終えるまで5分くらいしかかけられない。
⑥影響力を持つ医師や研究者、大病院の代表、栗原代表監視の下で施術
⑦高確率でその偉い方達にも施術を突然求められる
⑧自分のする鍼一本に鍼灸の未来がかかっている
無双モードの根幹
かなりプレッシャーのかかる条件です。
ですが、はじめに行った医師に対する予備実験で、緊張のためツボが見えないという経験をしたものの、それ以降はツボを見失うこともなく、ホームラン級の成果を連発することができています。
あるときは、病院へ鍼科を設立するための交渉材料として、1日に40人の施術にあたり、全員ホームランを出したこともあります。
そんな、大谷君もビックリな結果を乱発する様を、研究に参加しているメンバーの間では無双モードと呼んでいます。
この無双モードを支えているのが触診の際のツボに立つという感覚です。
鍼の才能、無いの
私は特別な才能を持っているわけではありません。むしろ、極めて不器用です。
鍼灸専門学校時代、実技の課題で落第しました。
追試のために、学校に早出して毎日特訓しました。それでも落第しました。
再追試のために、友達が早出して集まって協力してくれましたが、課題をパスできませんでした。あきれた先生が、「もう合格でいいよ」とあきらめたので、進級できました。
それを聞いたときのなんとも言えない友人達の顔、、、、あの時の悔しさは今でも忘れません。
不器用ものの戦略
整動鍼に出会ったとき、これこそ自分の鍼灸師人生を賭けるべきものだと確信しました。
自分が不器用なことを知っているので、しつこくセミナーに通い続けました。同じセミナーなのに何度も参加しました。
毎週のように北海道と池尻大橋を行き来しました。
それでも、ツボがとれませんでした。
初参加の方や、復習1〜2回の受講生が上手にツボをとっている姿を見ると、自分だけが取り残されているような気分になり、とても焦りました。
「天才はすぐに飽きて、違うことをはじめてしまうので大成しない。不器用だからこそ、何度も何度も練習できるし、上手くなれるはずだ」と自分に言い聞かせて通い続けました。
そうやって繰り返し復習しているので、ツボの情報は誰よりも頭に入っているはずです。
なのにどうして、ツボがとれないのでしょうか。
栗原さんの秘密を探れ
ところで、なぜ、栗原さんは整動鍼を生み出すことが出来たのでしょうか?
活法との出会いが契機と言われていますが、活法をやっている鍼灸師は栗原さんだけではありません。
どうして、栗原さんだけツボと連動の秘密にたどり着くことができたのでしょうか。
その秘密は、触診力にあると私は睨んでいます。
私は、セミナーの復習参加が5回を超えたあたりから、ツボをとる際の栗原さんの一挙手一投足に神経を集中し、触診力の秘密に迫ろうとしました。
気付いたことは、栗原さんのツボの触り方、押し方、身体の使い方が他の誰とも違うことです。
これをものにして、栗原さんに近づきたい、整動鍼を上手くなりたい、その一心でセミナーに参加し続け、栗原さんの体の使い方や触り方を真似る日々が続きました。
そうしていると、やってることは同じはずなのに、臨床での成果が目に見えて向上していきました。
ツボに立つ感覚
そして、ついに決定的な出来事が起こりました。
2018年3月、公認主催者特別特訓のときのことです。
「触診では、どんなことを感じているのか?」という質問に、栗原さんがこう言い放ったのです。
「ツボに立つ感覚です」と。
この言葉に、戦慄が走りました。
栗原さんの触診方法をずーっと追いかけてきて、何となく掴んできたけど、どうしてもつながらずバラバラだったイメージが、この一言でピタリと一つにまとまった感じがしました。
今まで、 ツボを探すときは、BB弾やゴマ粒をイメージしていました。大きさのイメージとしては間違っていないのですが、栗原さんがツボを見つける手がかりは、それではなかったのです。
「立てるかどうか」が、ツボを見分ける基準なのです。
そうやって見ると、栗原さんがツボを探るときの手の角度、肘の使い方、間合いの取り方、身体のさばき方がもつ意味が理解できた気がしました。
全ては、ツボに上手く立つための工夫だったのです。
ツボに立つ感覚を求めて試行錯誤しているうちに、臨床で見える風景が全く変わってきました。
セミナー中で得られる発見の質も一変しました。
私の無双モードが発動しはじめたのは、この頃からです。
触診を追求する場を
触診の質は、学習の場でも臨床の場でも大きな違いを生みだします。
しかし、ツボと連動の習得に専念する普段の整動鍼セミナーでは、触診の深いところまで詳しくお伝えすることができません。
9月2〜3日に開催される合宿では、これを徹底的に追求していきたいと考えています。
栗原さんに直接触診指導していただける機会は、他にはありません。
さらに、私達役員は、不器用な人間の視点で徹底的に栗原さんの触診を解剖してきました。そこで得られたものも、この機会にできるだけ共有したいと考えています。
ツボに立った先に見えてくるもの
整動協会は、病院を中心とする医療機関との協力・連携を進めています。
研修の一環として、協会員の皆さんが、医師をはじめとする病院関係者の方々に施術をする機会を会が作っていきます。
そこでの評判から、医師や看護師が皆さんの院に患者さんを紹介するという流れになります。
広告やマーケティングに頼らずとも、医師や看護師からの口コミで患者さんが集まる鍼灸院を全国に誕生させて行きます。
ツボに立つ感覚は、そういった未来にもつながっていきます。
ぜひ、身につけて、無双モードを発現させてください!
合宿の詳細・申し込みはこちらからどうぞ。
2018年7月20日カテゴリー:技術の話
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