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鍼灸師と柔整師のための鍼灸と整体の実践セミナー Seminar for Acupuncturist and Judo therapist

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脊柱の個性を知ると、鍼灸の深さ・精密さがわかる

整動鍼 講師の岡本です。かつては整動鍼の受講者の一人でした。

縁あって、今はここで講師をしています。

 

みなさんは、普段の臨床の中で脊柱の番号を意識していますか? 

たとえば、「胸椎の4番!」と言われて、すぐに患者さんの身体で指し示すことはできますか?

脊柱の番号を意識するかどうかは、その鍼灸師の施術のスタイルに大きく依存するでしょう。

「別にできなくてもかまわない」というのも一つの考え方だと思います。でも、できるようになると、施術でできることや対応できる症状が格段に増えていくので、脊柱を細か〜くみるとどんないいことがあるのかをお伝えしようと思います。

脊柱の番号を曖昧にしていた

恥を承知で申し上げますと、これを書いているわたしは、かつて、脊柱の番号のことはあまり考えていませんでした。

鍼灸学校では、足太陽膀胱経のツボを学ぶときに、脊柱の番号に合わせて取り方を学びます。一行線、二行線ともに、脊柱の高さが基準になるからです。しかし、わたしが学校で学んでいたのはもう10数年前のことなので、学校でどん風に学んだのか、はっきり思い出すことができません。もしかしたら、ちゃんと教わっていたのに忘れているだけかもしれません。(先生ごめん)

みなさんはどうですか? 

これは想像ですが、膀胱経のツボはかなりの数がありますので、順に追っていくのが精一杯で、学校の授業だけで脊柱の高さまで細かく練習して取れるようになるのは、難しいのかなと思います。いざ、臨床に立つようになっても、脊柱を重視しない療法を実践していれば、自然と曖昧になっていくものでしょう。

わたしも、免許を取って鍼灸師として働きはじめたときには、あまり意識しないようになってしまっていました。

「どの骨が何番」などと考えなくても、当時はとにかく筋肉が硬くなっているところに鍼をすれば臨床はなんとかなっていたからです。わたしと同じような経験をしている人は少なくないのではないでしょうか。

それぞれの椎骨に個性があることを知った

整動鍼では、この脊柱の番号というのを、かなりしっかり意識して施術をします。

 

なんでか?

 

「督脈や膀胱経のツボを多用するから?」

という答えが返ってきそうです。それもひとつの正解です。

ただ、整動鍼ではあまり経絡的な思考をしないので、「背中のツボを細かく使い分けている」と言うほうがよさそうです。

 

そして、もうひとつの答えは、「椎骨はそれぞれに違いがあるから」です。

脊柱を構成する一連の椎骨は、骨ごとに動きの中で担っている役割が違います。

たとえば、列車に乗るときに「4号車も5号車も似たようなもんだろ」と思って不用意に乗り込むと、そこは別の人の指定席だったり、男性なのに女性専用車両に乗り込んでしまったりして、気まずい思いをします。(あまり上手いたとえではないかな)

 

頚椎の1番と腰椎の5番について、「どっちも脊柱だし、同じものでしょ?」と言われると、「いやいやいやいや、それはちょっと乱暴なんじゃない?」と言いたくなるはずです。

もちろん、頚椎1番と腰椎5番は脊柱の上端と下端なので、これは極端な例です。「頚椎と腰椎だからそりゃ違って当然でしょう!」と思われると思います。

しかし、頚椎・胸椎・腰椎・仙椎といった大まかな区別だけでは割り切ることのできない違いが、脊柱には隠されています。

「胸椎の4番と5番」などのように、隣り合っていて、別に何の違いもなさそうな椎骨であっても、骨の周りの筋肉を含めたその領域が担っている役割の違いが、厳然として存在します。

個々の椎骨の異常が症状をもたらす

その個々の椎骨の不調が、痛みやコリをはじめ、めまい、難聴、アゴの違和感といったさまざまな症状をもたらしているとしたら、どうでしょうか?

当然、個別の椎骨にアプローチする必要があります。

その見極め方、解決の方法を解き明かすのが、「整動鍼 基礎 脊柱編」の目指すところです。

椎骨一つ一つの機能にどのような違いがあり、どうすればその機能を回復させられるのか、ということを、手足のツボを絡めながら、2日間にわたって学んでいくというプログラムです。本当に、椎骨一つひとつについて解説していくので、2日間という時間がかかってしまうのも理解していただけると思います。

個別の椎骨にアプローチするために、整動鍼では脊柱を番号別に触り分ける練習をしています。最初は戸惑うかもしれませんが、セミナー中に何度も確認できますし、「もう絶対に無理」という人はこれまでの受講者にはいませんでしたので、大きな障害にはなり得ないでしょう。

「大雑把な施術を脱して、文字通り“ピンポイント”の精密な施術ができるようになる鍼灸師になれる」そんな2日間です。

未経験者、ペーパー鍼灸師、人見知り鍼灸師、問いません

「整動鍼なんてまったく知らない」「まだ学生で……」という方も多数いらっしゃっています。人見知りの人ももちろんOK。 

脊柱編を含めた基礎3編は、鍼灸師(または鍼灸学生)であれば、誰でもお申込みできます。

今年度の脊柱編は今回のB日程が最後の開催です。

2022/8/7-8 整動鍼 基礎☆脊柱編 B日程

また、脊柱編に先立って、7/24(日)に「入門 理論実践編 B日程」が開催されます。整動鍼を理解し、実践するためのエッセンスがつまった1日完結のセミナーですので、「まずはどんなものか知りたい」という方にはこちらの受講をおすすめいたします。

2022/7/24 整動鍼 入門☆理論実践編 B日程

2022年5月14日カテゴリー:整動鍼