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鍼灸師と柔整師のための鍼灸と整体の実践セミナー Seminar for Acupuncturist and Judo therapist

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セミナーレポート(活法・応用の復習会)「技に内包されたコミュニケーションスキル」

活法応用復習会_アイキャッチ画像_2026年10月18日〜19日

10月18日(日)〜19日(月)に、活法の復習会を開催しました。今回はその様子とともに、鍼灸師が活法を学ぶ意義についてお伝えします。

コミュニケーション・スキルを磨く

鍼灸師は鍼灸の技術を磨くだけでは食べていけない、とよく言われます。学校の成績がよくても社会で活躍できるとは限らないのと同じで、技術以外にも必要なものがあるということでしょう。ただ、具体的に何をしたらよいのかという話になると、多種多様な意見が飛び交います。さまざまな意見の共通項は、コミュニケーション・スキルではないかと思うのです。

ただし、コミュニケーションを勘違いしてしまうとうまくいきません。たとえば、患者さんに治療法や身体のことをわかりやすく説明する力だけを、コミュニケーション・スキルだと思い込んでしまうことです。東洋医学の用語を西洋医学の用語に置き換えたり、身近なことに例えたりしながら、患者さんが理解できるように努める。この努力自体は大切ですが、「相手に理解してもらうこと」だけを目指していては、コミュニケーション・スキルとして十分とは言えません。

コミュニケーションは双方向のやり取りなので、患者さんにいかに理解してもらうかと同じくらい、こちらが患者さんをいかに理解するかを追求する必要があります。ここでいう理解とは、症状や身体の状態を医学的に整理するだけでなく、患者さんを一人の人間として理解することを指します。

技に内包されたコミュニケーション・スキル

「人間として理解する」という言葉を使いましたが、このままでは抽象的すぎて何をすればよいのか見えてきません。具体化しないと、実践的なスキルになりません。

ここで登場するのが活法(かっぽう)です。

活法はコミュニケーション・スキルを内包した技術です。「活法とは何ですか?」と訊かれたら「日本の古流整体です」と説明するわけですが、「活法の魅力は何ですか?」と訊かれたら「患者さんとの関係づくりができる技術です」と答えています。

ここに、鍼灸師が活法を習得する理由があります。

鍼灸の技術を磨くだけでは食べていけない、という課題に対する一つの答えが活法なのです。

活法は整体術でもありますから、そのまま施術の一つとして取り入れられます。たとえば、鍼灸では対応しにくい症状に、活法で対応するという使い方があります。しかし、活法の役割はそれだけではありません。

その理由は、活法の特徴にあります。活法は、一方的に施術をするものではなく、受け手である患者さんと一体となって行うものです。患者さん自身に動いてもらう技も多く、そのとき、術者の役割は患者さんの動きを誘導することです。言葉や身振りを使って誘導するため、そこがうまくいかないと技が成立しません。

セミナーで練習しているのは、まさにそこです。この感覚をオンラインの映像だけで伝えるのは困難です。最初は戸惑う方が多いのですが、少し練習するとコツがつかめてきます。その練習の中で、人間の身体は何にどういう反応を示すのかを、感覚で理解できるようになります。反応は主に身体の動きとして表れるので、とてもわかりやすいのです。

患者さん自身の動きを誘導しながら反応を学べることは、活法の練習ならではの利点です。

活法は療術でありながら、コミュニケーション術でもあるのです。言葉を中心としたやり取りとは異なり、身体の反応を通じたコミュニケーションです。鍼灸もまた身体の反応を利用するものですから、活法で身につけた、反応を読み取りながら働きかけるスキルが役立ちます。

会話で悩む必要がなくなる

雑談をすることがコミュニケーションであると思っている人にとっては、大きな発想の転換になるでしょう。会話が苦手でも、施術に必要なコミュニケーションはできるのです。沈黙が怖くなくなります。活法の技を練習しているうちに自然と身につくので、新人研修にも適しています。

もし、患者さんとの接し方に悩んでいるのであれば、活法がその悩みを解く手がかりになるでしょう。少なくとも私は、活法を習得したことで臨床が劇的にラクになりました。鍼灸専門で整体はしていない、というふうに見られますが、前述したように活法はコミュニケーション・スキルでもありますから、常に活法を利用していると言えます。

活法セミナー復習会_練習風景_261018

 

復習会

今回の復習会に集まった鍼灸師の皆さんは、私と同じように活法に魅力を感じ、実際に臨床に役立てています。技が錆びつかないよう、練習のために品川に集まりました。

活法を実践して再確認できるのは、身体を整える方法は鍼灸に限らないという事実です。こんなことで変わるのか、と驚くことが多く、私もいまだに不思議に感じます。

もちろん、活法も習熟度によって効果が変わります。誰がやっても同じように効果があるわけではありません。しかし、上達に応じた変化がきちんと出るので、やっていて面白みがあります。誰かに指摘されるまでもなく、自分で自分のレベルがわかります。自分の下手さを実感できるから、うまくなりたいという気持ちも芽生えます。

最初からうまくできる人はいません。練習では、うまくいかないことも楽しんでいます。何度かやっているとわかってきて、その「わかる」という感覚が向上心を刺激します。

交流会

活法の効果は交流会でも感じ取れます。受講者さん同士の距離が縮まっているのです。活法がコミュニケーション術であるということを、受講者さんが証明してくれます。ただ技をかけ合うだけでなく、相手の反応を受け取りながら練習していることが、この距離の近さにつながっているのだと思います。

来年に向けて

今年の活法セミナーは復習会のみでしたが、来年は活法の魅力をもう一度整理して、セミナーを再開する予定です。鍼灸師がその価値を理解しやすいように、伝え方も変えていくつもりです。

整動鍼との関係性も強調してみたいと思います。整体術として活法を扱う場合も、整動鍼との相性は抜群です。どちらも、身体の動きを整えることを重視しているからです。

テキストを作り直す作業など、気合が必要ですが、鍼灸師に活法の魅力を伝える意義は大きいと感じています。来年に向けて、準備を進めていきたいと思います。

活法セミナー集合写真_20261019

2026年10月25日カテゴリー:セミナーレポート